2010年5月18日火曜日

夜船閑話

白隠禅師の禅病についてはかなり有名ですが
禅では古くから禅病、魔禅という言葉等で
偏差について警告してきました。
真面目に坐禅をやるほどおかしくなるというのでは本末転倒。
何の為にやっているのかわかりません。
勿論皆が皆おかしくなるわけではありませんが、
本来なればもっと技術的に安全性が確立されて然るべきでしょう。
気功やヨーガについても同じ事です。
そこで、白隠禅師の禅病について考察したいと思います。
白隠は26歳のとき、坐禅に励んだ為に禅病になり
京都白川村の山中で内観の法に通じた白幽子という仙人を訪ね
「軟酥の法」という独特な瞑想法を学び禅病が回復した旨を
「夜船閑話」に記しています。
ここで注目したいのは
禅の体系に禅病の治療法がなかったことです。
仙人といえば道家の修行者です。
禅宗の偏差を道家の方法で治療したというのでは情けない話です。
さてこの「軟酥の法」ですが、
極めて似かよった技術がチベット密教の中にあります。
「吉祥秘密集会成就法清浄瑜伽次第」という経典です。
この後期密教経典の成立は8世紀なので
チベットから中国に至り、道家の修行法に取り入れられたとしても
時代的には、不思議ではありません。
17世紀の白隠は時期的にも充分学べたわけです。
ですが、中国の養生医学は当時既に相当高いレベルにあったので
必ずしもこのインド的技術がルーツだと断定する事は出来ないでしょう。