2010年5月8日土曜日

菩提道次第論

 

 
「菩提道次第論~ラムリム」は
チベット密教の天才ツォンカパの代表作として知られています。
その内容は極めて高度で、かつ難解なものですが
ヨーガ修行者にとって大変参考になります。
   
とくに
ヨーガ研究に不可欠とも謂える瑜伽唯識論の重要文献である
「解深密経」等を理解する上で役立ちます。
私事ながら、かつて「解深密経」を読んだ際に難解だった部分が
この「菩提道次第論」によってかなり明白になりました。
 
もちろん「菩提道次第論」にしても、良書とはいえ
その説くところについて、全面的には同意しかねますが
頷けるところも沢山ありますので
これが有力な参考文献であることは間違いありません。
   
本書はかなりの大著ですし、
中観と唯識の知識がないと読めませんが
原始仏典からはじめて仏教学を順序よく学ばれた方には
相当な発見を与えてくれるはずです。
 
ヨーガスートラ程度の初歩的なレベルを目標とするならば
古典的ウパニシャッドは必須ではありませんし
インド・中国・日本・チベット等の他の叡智も無くてよいでしょう。
しかしながら、ウパニシャッドの境地を体得する為には
グローバルに視野を拡げ、学び方それ自体から考え直す必要があります。
 
先ず全体像の概観を知る為に先賢の遺した良書を学び
そして師匠の指導に従って、悟りの階梯を順に自ら体験する。
当然のことながら、各段階ごとに、先の良書等を以って随時確認し
体験と気付きを通して、先人の悟りを自身で検証してゆく。
 
私は、修行とは、その繰り返しだと思います。
 
◆ツォンカパ
パドマサンバヴァ、アティーシャ、プトゥンと並び称され
チベット仏教史上の偉大なる高僧として知られています。
14世紀後半から15世紀初頭にかけて精力的に活躍し
チベット最大の宗派であるゲルク派の開祖となりました。
アティーシャの「菩提道燈論」に従って「菩提道次第論」を著し
性的ヨガの実践に依存しない悟りへの階梯を確立するとともに
チベット仏教学を理論的に整理し大成させました。