2010年5月18日火曜日

一休道歌(水鏡)

 「釈迦といういたずら者が世に出でて 
 多くの者を迷わするかな 

 一休の釋迦をそしりたお蔭にて
 多くの人がうろたえぞする

 嘘をつき地獄に落つるものならば
 なき事作る釈迦いかがせん」
『一休道歌~三十一文字の法の歌』
禅文化研究所

一休といえば禅僧の中でもかなり異色な方ですが
彼の道歌にはなんとも言えぬ味わいがあります。

一休宗純は1394年京都に生まれました。
その出生については天皇家の血を引くものと言われています。
6歳で出家、諸師に参究した後に
終生の師である華叟に出会います。
25歳で大悟しましたが
天衣無縫というか、風狂そのものの生き方に
生前から賛否両論がありました。

仏教ではもとより戒律を守ることが求められます。
しかし一休は、故意に戒律に逆らった生き方をしていたようです。
酒を飲み肉食もしていましたし、34歳頃には子供もいました。

「持戒は驢となり 破戒は人となる」
戒律を正しく守る人は来世にロバとなり
破戒する者は人となって生まれ変わる。

蓮如の持念仏の阿弥陀如来像を枕に昼寝をしていた一休にとって
仏教の戒律などそれこそ他人事だったのでしょう。

冒頭でご紹介した3首は一見釈迦を揶揄するような句ですが
それは当時の仏教界への痛烈な批判であったように感じます。

自由奔放に生き抜いた一休の誇り高い気概を
読み取っていただければ幸いです。