2010年5月18日火曜日

ミリンダ王の問い

「ミリンダ王の問い」(平凡社)という本があります。
全3冊の長編ですが、副題に”インドとギリシャの対決”とある様に
内容的にも大変面白くとても勉強になりました。
インドに侵攻したギリシャの帝王メナンドロス(ミリンダ王)が
仏教僧ナーガセーナと教理について対決し
ついに仏教に帰依するという物語です。
インド的思惟がギリシャ的思惟と正面からぶつかり合います。
私は昭和48年、17歳の時にこの本を初めて手にしましたが
その時の感動は今でも忘れません。
ここでの仏教は
皆さんがイメージするような日本の既成仏教とはかなり趣の異なるものです。
御利益型or葬式仏教ではない、釈迦のオリジナルな思想に近いといえます。
「大王よ、たとえば、ある人がひとつの灯火から他の灯火に火を点ずる場合に、
灯火がひとつの灯火から他の灯火へ転移するのですか?」
(第5章第5「輪廻の主体は転移しない」より)
この類の話は第2章第1にも出てきますが、言い換えれば次のようなことです。
”例えば、蝋燭の灯を用いて別の蝋燭に点火する。
最初の蝋燭の灯と2番目の蝋燭の灯は同じだろうか、違うだろうか”
という問いかけです。