2010年6月14日月曜日

言必信、行必果

「言必信、行必果」
言うことには嘘はなく、行なうことは潔い
論語・子路編の言葉です。
田中角栄総理は日中国交回復に際して、
当時の周恩来首相からこのような墨筆の色紙をもらいました。

田中氏は、言葉の意味がよい事もあり、大変気に入ったようで
マスコミ各社の前で自慢げに披露したわけですが
それを知った安岡正篤先生は怒り心頭で憤慨したそうです。

後日北京で、周首相の側近だった中国の高官に聞きましたところ
周首相は学識深く、古代の文献についても造詣があったとのことでした。
ということは、意図的に、この色紙の文面を選んだことになります。

ではなぜ、安岡先生は怒り心頭に達したのでしょうか?
その答えは、論語をご覧になるとわかります。

そして、さらにその時、毛沢東主席は
田中氏に「楚辞集註」という本を贈ったそうですが
これについても安岡先生は憤慨されたとの事です。
古来中国では、学問そして帝王学の基礎は
先賢の叡智、例えば四書五経などを学ぶことから始めました。
つまり中国では、宰相として一流かどうかは、
業績はもとよりその基礎の有無が問われている
と言っても過言ではありません。

毛主席と周首相が何故そのような対応をしたのか?
その理由は、もちろん私にもわかりませんが
いずれにしても漢学に長けていた安岡先生にとっては
その辺りが逆鱗に触れ、立腹されたのだと想われます。
なぜ、そして誰に対して、安岡先生は怒ったのでしょうか?
興味のある方は、お時間のあるときに、
その謎解きをされては如何でしょう。
ただ私的には、田中元総理には特別な思いがあります。
もちろん、安岡先生の憤りはよく理解できますが
だからといって、田中氏に対する評価を変える気はありません。