2010年10月15日金曜日

求聞持法とキルタンクリヤ-5

真言密教の秘法「虚空蔵求聞持法」はかなりの難行ではありますが
空海は、その自著によれば、20代前半で成就したと言っています。
残念ながら、
私は、虚空蔵求聞持法を一度も修行していませんが
その御次第書を見ながら、そして空海の体験談を何度も読み返し
一体何が起きたのか、ヨーガの視点から考えてみました。
まず、最初のポイントは、なぜ場所に拘ったのか、です。
修行場を決める為に、かなり各地を彷徨ったわけですが
その理由は、恐らく
修法を試みた際に、実感としての反応が乏しかったからでしょう。
それは空海が
単に修法を修了すればいい、と考えていなかったことの証だと思います。
手応えといいますか、脳に対する明確な働きかけが感じられなかったのを
「法」のせいにせず、その修行環境に原因を求めたのだと想われます。
もし、手応えのなさが「法」のやり方に起因すると考えたならば
転々と修行場を移動する必要はなかったわけですから。
そして第二のポイントですが、それは、
最後に、室戸岬の洞窟を選んだ理由です。
真言の音の反響が最も良いなどの点で、その形状が気に入ったのか?
それとも単に場所が問題ではないと、そこで気がついたのか?
その辺りはよくわかりませんが
私は、後者ではないかと考えています。
なぜなら、ヨーガ的には、脳に対する働きかけで重要なのは
耳から入る音や、物理的な空気の振動ではなく
あくまで、脳内の内呼吸と、体内の振動の操作等なので
空海も、それに気付いた可能性が高いと想うのです。
脳の特定の部位に、真言(マントラ)の振動を注ぎ込むには
いくつかの条件を整える必要があります。
1.サハスラーラとアジュナー・チャクラの位置を特定する
2.ムドラー(印)と脳のリンケージを確立する
3.脳内の内呼吸を制御する
4.眼球の角度の特定と、視神経の操作
5.声帯からアジュナー、サハスラーラまでの振動の伝達(骨伝導と体液伝導)
これらは、最初の段階として取り組むべき5点ですが
当然のことながら、目的別にたくさんのヴァリエーションがあります。
いすせれにせよ脳の任意の部位を「動かす」時に、
リアルな実感がなければ、結果が伴うことなどないのです。