2010年11月25日木曜日

ヨーガスートラ


ヨーガスートラの時代には、アーサナとは安定を得るためのものであり
現代に伝わるような技法はほとんど行なわれていませんでした。

「坐り方は、安定した、快適なものでなければならない」
(ヨーガスートラ2-46)
「そのような坐り方は、緊張をゆるめ、
こころを無辺なものへと合一させることによって得られる」(2-47)
「その時、行者はもはや寒熱、苦楽、毀誉、褒貶の
相対的状況によって悩まされることはない。」(2-48)

ヨーガスートラに於いて
8部門の説明をする段での「坐法(アーサナ)」に関する記述はこれだけです。
アーサナ(体位)に拘るハタ・ヨーガ・プラディーピガーとは対照的です。
それはつまり、ヨーガスートラの時代、
あのような体位群が特に必要とされていなかったことを示唆しています。

ですから佐保田博士も翻訳に際して、同じアーサナという語に
ヨーガスートラでは坐法、ハタ・ヨーガ・プラディーピガーでは体位と
別の訳語を充てられたのだと思います。

ヨーガスートラの流儀に於いては、いくつかの坐法はあっても
それらは積極的にチャクラやクンダリーニに対して
その活性化を促すものではありませんでした。
佐保田博士の分類によれば、顕教ヨーガということですが
肉体的鍛錬ではなく、メディテーション中心の穏やかな方法であったことは
様々な文献などからも容易に推測できるところです。